2015年10月30日金曜日

握りこぶし呼吸法


 誠快醫院健康講座
 − 握りこぶし呼吸法 −
2015.10.17改訂
1.なぜ呼吸筋のトレーニングが健康維持に役立つのでしょう
下の図に示すように、呼吸機能は年齢とともに最も早く衰えます。それによる酸素不足はあらゆる臓器、特に腎臓の機能低下をきたします。腎機能低下は、高血圧やビタミンD活性化障害によるカルシウム吸収低下をおこすのです。カルシウム吸収低下はいうまでもなく骨粗鬆症の原因です。また低酸素は細胞内のミトコンドリアの働きを弱くすることで発癌率の増加や癌の増殖促進因子として働きます。
呼吸筋トレーニングをすれば、呼吸をになう横隔膜(吸気)と腹横筋(呼気)の筋力強化でしっかりと力強い呼吸ができ、低酸素状態を解消できます。気軽にでき費用の全くかからない健康法です。あらゆる病気からの回復促進老化速度の抑制はもちろん、冬と比べて7〜9%空気が膨張する夏の健康維持(夏ばて対策)に特に勧められます。


2.握りこぶし呼吸法のやり方
以下の方法の理論的裏付けとなっているのが、立命館大学スポーツ健康科学部の田畑泉学部長が考案した筋力トレーニング法・田畑プロトコールです。田畑プロトコールの筋力増強効果は論文で実証され世界的にも注目されています。
今回考案した呼吸筋トレーニング法は、この理論を呼吸筋強化に応用したもので、握りこぶし呼吸法名付けました
A)呼気筋トレーニング(息を吐く筋肉=主に腹横筋の筋力強化)
座った姿勢で小さくしっかり握った握りこぶしに口を密着させ(抵抗力を増すためです)、軽く息を吸ってから思いっきり強くフーと吹き込みます。
あわてずに一回一回力強く吹き込む動作を20回目標に行います。

20回になる前に辛くなったら無理せず途中で止めます。
20回終了したら約10秒間(普通の呼吸を2〜3回分)休みます。
B)吸気筋トレーニング(息を吸う筋肉=横隔膜の筋力強化)
座った姿勢で小さくしっかり握った握りこぶしに口を密着させ(抵抗力を増すためです)、軽く息を吐いてから思いっきり強く吸い込みます。
あわてずに一回一回力強く吸う動作を20回目標に行います。
20
回になる前に辛くなったら無理せず途中で止めます。
20
回終了したら約10秒間(普通の呼吸を3〜4回分)休みます。
このトレーニングは「20回すばやくをする10秒間休み」を1セットとして慣れないうちは3セット、力がついてきたらセット数を増やし、最終的に6セットを目標に行います。実行するときのコツは、握りこぶしをしっかりと口に密着させ隙間から空気が漏れないようにすることです。
このトレーニング2種を入浴中などに一日おきに週2、3回行います。
例えば、呼気筋トレーニングを月曜・水曜・金曜に行い、吸気筋トレーニングを火・木・土曜日に実行するなどです。

呼吸筋トレーニングの効果は、カラオケなどで歌ったときに息が続くようになることや、運動時の息切れが軽くなることで実感することができます。
  

2015年10月29日木曜日

医者に病気は治せません


山梨県南アルプス市にあるやまびこ小児科の院長先生のおっしゃることはまったくその通りです。
心から賛同いたします。
ただ、この事実に気づいていない医療者や患者さんが大部分で、
そのことがどれほど医療をゆがめているかわかりません。
医者にできることは、患者さん自身が治るためにできることの道案内や症状を緩和して時間を稼ぐことだけです。
その意味でもっとも医療の価値が高いのは、救命救急医療といえるでしょう。
医者と患者さんは、上司−部下の関係ではなく、病気治しに力を合わせて立ち向かう仲間でありたいものです。


光の反射で読みにくい6行目は、
「医者の多くもこのことに気づいていません。」です。