本年(2017年)2月に「抗癌剤治療を受けるときに劇的に効果を高める方法」を投稿しました。
その主旨は、抗がん剤治療中にあえて高血糖の食事(+インシュリン分泌増強剤)を摂ると、がん細胞が大量に取り込むブドウ糖と一緒に抗がん剤も細胞内に入る、というものです。
つまり、がん細胞の特徴的な代謝メカニズムを利用して抗がん剤の効果を高めるのです。
同じようにがん細胞の代謝を利用し、がん細胞を破壊するT細胞の働きを高める薬が見つかりました。
その薬とは、60年以上前から使われている糖尿病薬メトホルミンです。
この薬は、インシュリン分泌を増やすことなく肝臓でのブドウ糖の合成を抑制したり、筋肉でのブドウ糖の利用を促進して血糖を下げます。
がん組織は大量にブドウ糖を消費して内部が低血糖状態になっています。
そうした低血糖環境にがんを破壊するT細胞(細胞障害性T細胞)が侵入すると、T細胞は低血糖状態にさらされて代謝が悪くなりがんを抑える力が弱くなります。
岡山大学の研究でメトホルミンには、がん組織内の侵入したT細胞にブドウ糖を供給し、抗がん活性が低下するのを防ぐ作用が見つかったのです。
こうした効果はがんの種類に関わらず共通していますし、他の治療との競合も考えにくいので併用が可能です。
たまたまがん患者さんが糖尿病を持っている場合以外は、健康保険での処方は難しいかもしれません。
非常に安価で副作用も少ない薬ですので、誠快醫院では患者さんの合意の元に適応外処方で服用をお勧めしようと考えています。
もし試されたい方がいらしたら、誠快醫院までお電話03-3773-0318ください。
メトホルミンのがんへの効果については、以下のサイトが参考になります。
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/025817.php
0 件のコメント:
コメントを投稿