2017年4月5日水曜日

影響の輪・関心の輪・無関係な世界−無意味な思考を減らす方法−

有名な「7つの習慣」の中で紹介されている思考の分類法がとても腑に落ちたので紹介します。
それは思考を、影響の輪・関心の輪・無関係な世界、の3つに分ける考え方です。

影響の輪とは、自分の行動が影響力を及ぼすことができる範囲、つまり自分の努力で変えることができる世界です。

関心の輪とは、自分が感心を持ってはいるが変えられない範囲、つまり自分の努力では何ともできない世界を指します。

そして、無関係な世界とは、関心もなければ影響力を持たない世界をいいます。

この3つの関係は次の図に表すことができます。

 ほとんどの人は、「関心の輪」の比重が高く、変えられないことをくよくよと思い悩みがちです。
例えば、変えられない自分の属性である身長や性別、年齢、国籍、身体的な美醜、出身家系などです。
あるいは、勤めている会社の上司や家族、関わりのある人々の性格も変えられません。
つまり他人は変えられないのです。
そして何よりもいくら悔やんでも「過去」は変えらず、どんなに長生きしたくてもいつかは死ぬ運命からも逃れられません。
他にも政治、景気、地域社会なども変えることはほとんど不可能です。


このように変えられない「関心の輪」に意識を集中し繰り返し考えると、
その人の持つ体力や気力など限られたエネルギーの大部分がその世界に割かれてしまいます。
つまり「影響の輪」に振り向けるエネルギーが減ってしまいます。
その結果「影響の輪」で使えるエネルギーが不足し、自分がコントロールできることの範囲が狭まるばかりとなるのです。

先日もニュースを見ていて、スケートの世界選手権で銀メダルを取った宇野昌磨選手が「今何が一番したいですか?」と記者に聞かれ、ちょっと考えた後に「スケート」と言っていました。
これは、彼がいかに自分の努力で変えられる世界=影響の輪、に集中しているか、の証拠です。

仏教の修行として坐禅や作務(掃除などの作業)がありますが、こうしたことは影響力を及ぼせる目前の行動に集中する訓練と言われています。

われわれは変えられないことがらをついつい考えがちですが、 少し冷静になって「今考えていることは私の努力で変えられるかな?」と自問自答するとエネルギーロスが減らせます。
そして、目前のことに意識と努力を集中すればもっともっと効率よく結果を得られるのです。
「言うは易く行うは難し」ではありますが、人間関係や仕事上の問題についてのストレスを減らす強力なツールとして使えるでしょう。

誠快醫院の本分である医療についても、いかに病に悩む患者さんが主体的に病気に取り組んでもらう気になるか、この関係性を説明し納得してももらえるようにしようと自分に言い聞かせています。

0 件のコメント:

コメントを投稿